中学生でも分かる税金の話①-1 〜そもそも税金って何のためにあるのか〜
こんにちは、創平です。
兼ねてから取り組みたかった、中学生でも分かる税金の話シリーズを書こうと思います。
第20回ぐらいまで続けることができたらなあと思っています。
記念すべき第1回は『そもそも税金って何のためにあるのか』についてお話しします。
そもそも税金は何のためにあるのか
皆さんはこういう説明を聞いたことがないでしょうか?
『税金は国に払う会費のようなものである。税金が無ければ公共サービスを受けることができない』
(以下のサイトにも同様のことが書いてあります)
端的にいうと、この説明は完全に正しいわけではありません。
例えば海外のドバイ。
ドバイは消費税、所得税、法人税といった税金はありません。企業が海外から商品を輸入する際に5%の関税をかける、ただそれだけです。
詳しくは以下のサイトに記載してありますので、参考までに。
税金がほとんどないドバイですが、当然道路の整備はされてますし、病院なども設置されています。
さてそうなると、『税金は国へ払う会費であり、その会費が無ければ公共サービスを受けることができない』というのは何かおかしいように思いますよね。
もちろん、ドバイは特殊な例です。税金は公共サービスを賄う上で重要な収入源であることは間違いありません。
大切なことは税金は公共サービスを賄うこと以外にも役割がある、ということです。
税金の三つの役割について
税金には以下の三つの役割があると言われています。
- 公共サービスを賄う財源である
- 景気を調整する
- 富や資産を再分配する
景気を調整する、富や資産を再分配するといったことはどういうことなのか、ひとつずつ見ていきましょう。
景気の調整とは?
税金には景気を調整する力があります。と言われても抽象的すぎてわからないと思いますので、具体的に考えてみましょう。
景気が良いとは、会社や個人にお金がたくさん入ってくることを言います。入ってくるお金が増えるので買い物をする人、株の投資をする人は増えるでしょう。どんどんお金が市場に流れる事態となります(こうしたことをインフレと言います)。
何事もやりすぎは良くありません。インフレを放っておくと、物価の上昇を招きます。事実第一次世界大戦に敗北したドイツは、戦勝国から莫大な賠償金を要求されました。お金がないドイツはとりあえず紙幣を刷りまくり、賠償金の支払いに当てました。
結果ドイツには大量の紙幣が流れ込むこととなり、ハイパーインフレが引き起こされました。パン1個に対して1兆マルクの値段がつけられるほど、物価は高騰したそうです。
インフレは加熱しすぎるとこうした事態を引き起こすことがあります。そこで税金の出番です。
一般的に利益が高いほど税金の負担額は増えます。すなわち景気が良い時に使えるお金が減るということです。ある種市場へ入るお金の量をストップしているのです。
景気が悪いときは真逆のことが起こります。税金の負担額が減り、市場へ入るお金の量を増やしているのです。
思ったよりも長くなりそうなので、続きは後日へ。