中学生でも分かる税金の話①-2 〜そもそも税金って何のためにあるのか〜
こんにちは、創平です。
前回の続き(https://tax-officer-diary.hatenablog.com/entry/2021/08/15/184727)より。
景気の調整について、市場へのお金の流入を調整する以外にも税金が果たしている役割があります。
皆さんは住宅ローン控除はご存知でしょうか?
住宅ローンを組んで家を購入した場合、10年間(条件を満たすと13年間)税金が安くなるという制度です。
これは非常に強力な制度で、この制度を受けるだけで年間の所得税が0円になる人もいます。
家を購入することは、多くの人々にとって人生で一番高い買い物になります。
そのため家を購入する人の数により、お金の動く量は大きく変わります。
家を購入する人が増えれば増えるだけ、土木関係や建築関係へたくさんのお金が入り、経済が潤うことになります。
このことは経済学者のクズネッツの景気循環論でも指摘されています。
そうすれば、景気を良くするためには家を購入する人を増やせば良いという考え方が出てきます。
そこで住宅ローン控除という制度が誕生したのです。
このような視点で節税の制度ができることもあるのです。
富や資産の再分配とは
日本は現在資本主義です。
お金を稼ごうと頑張れば頑張るほどお金が入る仕組みになっています(もちろん結果につながらないことは多々あります)。
しかしそれは結果として格差を生み出します。
総資産500万の家に生まれた子供と総資産5億の家に生まれた子供はどちらがお金持ちになりやすいでしょうか?
当然後者の方ですよね。悩む必要もありません。
となれば何もしなければどんどん格差は増大していきます。
そこで税金の出番です。
簡単にいうとお金持ちであればあるほど税金が高くなる方式です。
また、相続税というものも存在します。
これは『3000万円+600万*法定相続人』以上の相続財産があればかかってくる税金です。
例えば相続人が3人であるならば、相続財産が4800万円までは税金がかからないということです。
この相続税がかかる人は富裕層以外にはなかなかいません。
こうした税金の制度を作ることで、富裕層から税金を徴収し、社会保障等で国民へ還元するという仕組みにしています。
富や資産を再分配しているのです。
まとめ
今回の話をまとめると、税金の役割は次の三つになります。
・公共サービスを賄う財源である
・景気を調整する
・富や資産を再分配する
こうした視点を持っていると、税制改革のニュース等を見る際に見方が色々増えると思います。
知識を持つことは世界の解像度を上げることと同義です。
僕も色々知識を増やしていきたいですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。